お産の進み方は、人それぞれです。助産師として関わっていても困った状況になることもしばしばあります。特によくあるのは、『陣痛=痛い』という意識が強すぎて、過度な緊張やパニック状態に陥ってしまうことです。他には、経産婦さんにありがちなのですが色々考えすぎてしまうこと。上の子のことや、家のことで頭がいっぱいで自分のお産に集中できないんですね。その結果、なかなかお産が進まなずに疲労ばかりが蓄積してしまい、また更にお産が進まない要因となっていきます。
これらの方たちに共通して必要なことは、余計なことは考えずにリラックスする、ということです。
緊張が強いと、痛みはより強く感じてしまいます。リラックスして呼吸を整えることでそれだけでも痛みは和らぎます。色々考えすぎてしまっていても、なかなかいい陣痛はやってきません。頭を空っぽにすると、不思議とそこからぐっとお産が進みだしたりします。
妊娠中からゆっくりリラックスする状況を意識してつくるようにしておきましょう。呼吸法でも、音楽でも、好きな食べ物や飲み物でも、リラックスにつながるきっかけを脳にインプットしておく感じです。いざお産の時に、そのきっかけとなる要素を取り入れることでリラックスに持っていきやすくなります。
今回は、そのきっかけのひとつとして分娩時に使える精油をご紹介していきます。
心を落ち着かせる精油
まずは、心を落ち着かせる精油です。心を落ち着かせると一言で言っても、精油の効果にも実は色々あるので、ここでは緊張を和らげるリラックス効果、興奮を落ち着かせる鎮静効果、眠りに誘ってくれる誘眠効果に着目していきます。
マジョラム、マンダリン、ラベンダーはどの要素も含んで万能ですね。好みの香りやどの効果を重視するかで選んでみてください。
痛みを和らげる精油
そうは言っても、痛いのはつらいものです。そこで、痛みを和らげる作用のある精油も探してみます。
リラックスしつつ痛みも和らげられるものは、イランイラン、ラヴィンツァラ、カモマイル・ローマン、マジョラム、ローレル、といった感じですね。
吐き気対策の精油
お産が進んでくると、吐き気・嘔吐に悩まされる産婦さんも多いです。思うように飲み食いできず、体力も削られてしまうため、その対策として消化器の働きを助けてくれる精油も挙げていきます。
柑橘系の精油が消化器には強いです。グレープフルーツのすっきりした香りはつわりへの効果も期待できます。
子宮の収縮を促す精油
さて、精神的にも落ち着いてお産に向き合えるようになったところでもう一押し。子宮の収縮=陣痛を促してくれる作用のある精油も取り入れてみましょう。
※子宮を収縮させるので、分娩時以外の妊婦さんは使わないようにしてください。
まとめ
今回ご紹介した精油を特徴ごとにまとめて図にしてみました。
この精油を使えば安産間違いなし!という万能精油はありません。同じ人であってもその時の状況に応じて必要な要素は変わってくるものです。どの要素をメインにアプローチしていきたいかを考えつつ選んでみてください。
効果を期待しすぎるあまりに、好きでもない香りの精油を無理に使うなんてことのないようにしてくださいね。難しく考えすぎなくても、不思議とその時身体が欲しているものが好ましく感じたりもするものです。
お産に向けてちょっとアロマも準備してみようかな、と思った時にこの記事を参考にしてもらえれば幸いです。バースプラン相談として、はぐくみ相談をご利用いただくのも大歓迎です。
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